染める素材として綿や麻、絹、紙などがよく用いられます。
草木染めにおいては、多くの場合絹は発色がよく、逆に綿や麻は染まりつきが悪く茶色っぽくなりがち(絹と比べて)。だからといって絹ばかりは使えず、麻や綿でも染まり着きを良くしようと工夫されてきました。(そもそも庶民は麻が多かった、そして麻は特に染まりにくい)
よく用いられた方法は、染める前に生地を呉汁(ごじる:大豆の搾り汁)に漬ける。(豆腐を作るよりもずっとずっと薄くて十分。濃いとおから臭い生地になります…)
乾燥。
そして染色。
絹のように表面にたんぱく質をつけてやって、染まり着きを良くしようというわけです。
多少ゴワゴワしますがそれも風合い…
この方法は、顔料を用いて染色する場合にも有効です。
特に型染めにおいては呉汁の効果はてきめんで、日本画における膠のように、顔料を生地に固着させます。また型糊の下に色が滲むのを防いでくれます。
糊置き → 地入れ(呉汁を刷毛で引く) → 乾燥 → 染め → 乾燥(場合によっては明礬を引く) → 水洗い
牛乳とか書いてありますが、臭くて実用的ではありません(生乾きの雑巾臭ね。Pseudomonasね。昭和のころ使われていた時もあったらしい…)。ぶっちゃけ染色材料店で濃染剤などの下処理剤を買うのが一番です…。何が入ってるのかわかりませんが、がっつり濃くなります。