
染めたい生地に特化した染料でない場合、前述の通り生地と染料をくっつける作業が必要となります。
草木染めにおいては、媒染作業がそれに相当します。
(媒染を行わない草木染も存在します。e.g. 藍染)
媒染は簡単に言うと、可溶性の染料分子を繊維の中で不溶性にすることです。繊維の中で染料分子が水に溶けない物質に変わってしまえば、洗っても繊維の外に溶けださず、色落ちしない(しにくい)というわけ。
可溶性位の染料が、媒染によって、不溶性の顔料に変わる
媒染を行う際、使用する媒染剤の主役は金属イオンです。色素分子と金属イオンが結合(配位)して、不溶性の錯体(高校化学ですね)が生成されます。なので、金属の種類によって当然色が変わります。(電子の移動による色調の変化と安定度の増加)。
桜で染めたから染めた生地は桜色、というわけではないんです。お茶で染めても使用する媒染剤によってきれいなグレーにも染められます。
一般的な草木染の手順は以下の様。
まず草木から色素を抽出するのに何十分か煮ます(溶媒は水を使うことがほとんど。もちろんアルコールやその他色素が溶け出すものならOKだけどいろいろ面倒…)。
水に通した生地を、ある程度温度が高い煮汁に投入。
生地にもよるけれど多くの場合20~30分ほど浸した後軽く洗って、媒染剤を溶かした溶液に投入。
同じくらい時間がたったのち水洗い。
色を濃くしたければ再び煮汁に投入。
繰り返し。
(それぞれの行程の作業時間は人によって様々。環境や目的に合わせて試行錯誤してみましょう。面倒だけど楽しいという人もいます…)
(染液の温度は高いほうが分子の移動が速いため作業が効率的。でも本来は低温のほうが分子がじっとして繊維にくっついてくれる。けど時間がかかる。どちらを優先するかはあなた次第。
ただ、もちろん絹地に熱湯は避けた方が無難。絹はタンパク質だから。変性しちゃう)
媒染は、染める前に行う場合もあり(使う植物種によって変える場合が多い)、先媒染、あとに媒染するのを後媒染と呼んでます。
後先を決める要因は、色素分子の大きさとか反応速度とかに依存するのかな。経験的な要因が大きいようで、参考にした本や資料には理由が記載されているものは見当たりませんでした。
現在ではいろいろな種類の媒染剤が染色材料店から市販されており、わざわざ薬局でハンコ片手に劇物等を購入しなくても済みます。
手軽に様々な色を草木染めで染め出すことができます。